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ごあいさつ
4月に入園した子どもたち、園庭での砂遊びに夢中です。「水、流すよ!」「川、大きくしてみよう!」、子ども同士で遊びがどんどん発展しています。隣ではトンネル掘り。作ったら壊れ、壊れたら作るを繰り返しています。遊びこむ喜び、友達と関わり合う喜びに満ちあふれた子どもたちの姿を前に、私の胸に去来するものがありました。
今年3月東北地方を襲った巨大地震により被災された幼稚園や地域への思いがその一つです。
あれから3ヵ月経とうとしていますが、今も愛する人や仲間を捜し続ける方々がいらっしゃいます。私たちは改めて生命の尊さをかみしめ、被災された幼稚園や地域の一日も早い復興を願い、助け合いの輪を広げ、共に生きるための最大の支援をし続けていきたいものです。
今一つは、昨年度来よりの懸案である「幼保一体化を含む子ども子育て新システム」構築に向けての取組みについてです。この課題を解決するためには、地域になくてはならない幼児教育センター機能としての私立幼稚園構築に向け、全力を傾注して取り組むことであり、OECDの提言にある『イノベーションをもたらす人』の育成を視野に入れながら、保育者・教育課程・学校経営の三つの質向上を図り、学校力を高めていきたいものです。
おりしも、「中国地区私立幼稚園教育研修会」を山口県がお引き受けすることになりました。この研修会の目的は、中国五県の設置者・園長並びに教職員が一堂に会し、研修を通して教職員としての資質を共に磨き合い、もって私立幼稚園教育の充実・発展に資することにあります。
そこで、国の動向やOECDの提言などを視野に入れて、研究主題を『社会に示せる幼児教育を今』と設定し、『豊かな心と後伸びする力を育成するために』をサブテーマに掲げました。
基調講演では、東京大学大学院 秋田喜代美先生のご講演を拝聴し、これからの幼稚園教育の在り方を展望し、また特別講演では、広島大学大学院 烏帽子田彰先生をコーディネーターとし、学校法人服部学園理事長、医学博士 服部幸應先生のご講話を拝聴し、次世代を担う子どもたちのために今なすべきこと、できることについて考え、さらに、分科会で各県の研究発表をもとに研究協議を深め、サブテーマの解明に役立てていただきたいと考えています。特に、設置者・園長部会では、「明日の幼稚園を考える」を研究テーマとして、地域になくてはならないコアとしての幼稚園について研修を深め、研究主題の解明の一助となることを期待しています。
暑い時期ではありますが、たくさんの方々が本研究主題の下に集い、実り多い研修会となりますよう、心からお待ち申し上げております。 |
平成23年6月
(財)山口県私立幼稚園協会
理事長 香川 敬 |